そんなお悩みを解消するべく、タイトルの本を読んでみました。
本の感想と引用。
公文式に通う前に特徴を知っておくと弊害も減らせプラスです。
私自身子供の頃、公文式算数を3年間やっていたので個人的な見解も入れていきます。
本はこちら↓
- 公文式のメリット・デメリットについて中立的な立場から詳しく書かれている
- 公文関係者、元受講生、塾講師などいろんな立場の人に取材
本から分かる「公文式」の良いところ・悪いところは以下の通り。
- どの教科も先取り学習が可能
- 学習習慣が身につく
- 公文式の算数をやると計算力とスピードは確実にアップ
- 英語は英文読解力が目的で難しい文章もスラスラ読めるようになる
- 国語は高度な読書能力の養成が可能。読解力を高める縮約を用いる
本の内容は95%は「算数・数学」について。
英語と国語についてはチラッと。
- 公文式算数では読解力が問われる問題はない
- 公文式算数では考える力はつかない
- 自宅学習が大事で親のフォローは必須
- 指導者により差が出ることもある
- 教材が進みづらくモチベーションが下がることもある
- 勉強時間をガッツリ取るので負担感がある
詳しく説明していきます。
「なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?」を読んでみた
「3人に1人と言うのはすごい割合だ!」と思いましたが、
「なぜ東大生の2人に1人はピアノを習っていたのか」という本も発見したので、
「そもそも東大生は裕福&親が教育熱心?」と思ってしまいました。
東大生の3人に1人は公文式出身
では本の中から実際の公文式をやっていた東大生のコメント。
公文式をやっていたおかげで基本的なことは全部わかっているんですよ。どういう分野が出ても、基本問題までは難なくできるんですが、応用問題になったときに手が止まるんです。
大学受験の数学だと、基本的な定理を利用できるのは大前提で、そこから応用的なものを導いていくという形になりますよね。
先ほど言ったように、公文式はあまり考える力を養わないじゃないですか。それだけではないとおもいますが、僕はそれまでちゃんと考えて問題を解くという方法をあまりやってこなかったんです。
(中略)
僕は本当に、ただ「これをやればこれが出る」みたいな感じで、単純な作業として公文式をやっていたので、その癖が付いてしまっていたのかもしれません。
なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?からの引用
東大生のコメントに乗っかるのはおこがましいのですが、
確かに、公文の問題は「考える」よりも「作業」的に解いてました。
「どんどん先に進めるから、できる子にとってはいい。余計なものが一切ない無機質な教材であることが、純粋に先に進むのが楽しい子供には合う。一方で、勉強の勘が悪い子供には向いていないのか」というのが現在の磯田さんの公文式への評価である。
彼女は小4の時、公文式の先生が中学受験を勧めてくれ、公文式をやめて日能研に通い女子御三家の一角に合格。
なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?からの引用
プールと同じで早めに始めて早めに辞めるのが鉄則でしょうか?
そう言う人が本の中でも、私の周りでも多い印象。
私も「小1」から始め「小3」で「G教材・中1」まで進みそこで辞めました。
文章題が少ないことに象徴されるように、思考力を鍛えることができない点ではないでしょうか。発展途上国で公文式に人気が集まるのはよくわかりますが、成熟した社会で生きていくためには公文式だけでは限界があります。自分自身、計算は得意になりましたが、どちらかというと数式の処理の仕方を覚えたという感じ。あまり考えて説いているという感じではありませんでした。
なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?からの引用
- 公文式の算数で計算力は確実にアップ
- 考えて解くというより条件反射的な作業っぽい
創始者:公文公氏の考えと公文式の歴史
本の中では公文式創始者の公文公さんの考えが書かれていて興味深いです。
「計算問題はわかるよりできることが大事」そして「自分の学年よりも2学年、3学年上の計算問題ができるようになれば、自分の学年の文章題や図形問題は難なく解けるようになる」ということだ。
なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?からの引用
そうは言っても私を含め、解けない人が結構いるのは事実。💧
中学受験で使うつるかめ算など、方程式を使えば一発で解けるのだから必要ないということを、創始者は常々訴えいた。
なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?からの引用
これも意見が割れるところ。
思考力を鍛えるという意味で、中学受験向けの学習塾ではあくまで方程式を使わずに解く方法で指導します。
別の本で興味深い記述を見つけました。
ちなみにつるかめ算の面積図の頭の使い方は、高校でマナブ微積分の頭の使い方そっくりです。かつて数学専門塾で指導していた経験もある某私立中高一貫校の数学の先生は、「つるかめ算をやった経験のある子どもたちは微積分の理解が早い」と証言します。
中学校側も「頭を使って解く」生徒を欲しているのは事実。
中学受験の問題も考えて解く問題が多く出題されます。
公文式は、最初は算数教材のみでしたが、国語・英語の教材も開発されます。
国語は得意ではなかった。家庭が貧乏だったため本を買ってもらえず、幼少期の読書量が足りなかったからだと公は分析している。この悔しさが幼少期からの読書量を重視する公文式の国語指導の原点になっている。
ここで英語をみっちり仕込まれる。(中略)現在でいうところの「多読」の指導だった。最初はしんどかったが、3年生になるころには難なく英作文ができるようになっていた。どんどん原書を読んでいくのがもっとも効率の良い英語習得法であると、公は確信した。
なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?からの引用
- 「公文式算数」は計算力特化
- 計算問題は分かることより出来ることが大事
- 「英語」と「国語」は多読ベースで「読解力を鍛える」のが目的
個人的に公文式の「国語」と「英語」では読解力を鍛えられるのが魅力ですね。
今現在はありませんが、以前SRSという公文式の英語教材を利用しました。
英文が早く読めるようになりとてもプラスでした。
その経験もふまえ中学校から公文の英語を習うのは多読に慣れるということでは大学受験にもプラス。
そして知らなかったのですが、
公文の創始者は「公文国際学園」という学校を創立されてらっしゃいます。
注)スイスにも学校があります。
1期生の中から東大に6名の合格者が出た。(中略)
しかし公文式関係者の受け止め方は真逆だった。中1の時点で高校数学が解ける生徒が100人もいたのなら、東大に少なくとも数十人は入るだろうと期待されていたのだ。
なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?からの引用
とても自由な校風で人気のようです。
公文式のデメリット・弊害
実際に公文式を始める前には特徴をよく理解しておくとデメリットや弊害を減らせます。
本の中で特に刺さった箇所を抜粋しました。
親のサポートが必要
公文式は、高学歴の専業主婦を指導者に採用するビジネスモデルであり、専業主婦の母親がそばについて見守ることを前提として作られた教材だ。(中略)
親の関与度合いが減ることで、公文式の効果が薄れる可能性もある。
なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?からの引用
公文式は親のサポートが必須
公文式の「英語と算数」に子どもに習わせているママ友がいます。
彼女は幼稚園の時から息子さんに1日1時間以上毎日勉強させています。
ちゃんとサポートしてあげてスゴすぎです。
コロナ禍の緊急事態宣言時では、
家事と育児・教育で「気が狂いそう」と言ってました。笑
彼女はしっかりものの専業主婦。
フルタイムで仕事をしているズボラな自分には絶対ムリ・・・。😱
親の関与度の高いプログラムなのだ。
なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?からの引用
なので公文式に通う前に、
「ちゃんとサポートしてあげられるか?」考えておくことは必須。
もともと優秀だっただけ?説
元指導者の意見
「速く進むという点は、子どものもともとの能力や性格への依存度が高く、やめてしまうかどうかという点は、家庭力・保護者の考え方が大きいように感じます」
(中略)
そう考えると、もとから能力の高いお子さんは公文式以外の塾や学習法でも伸びるんでしょうね。
なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?からの引用
タイトルにもあるように「東大生の3人に1人が公文式」ってめちゃくちゃ興味をそそられます。
しかし
「東大生の2人に1人がピアノ習ってた」など諸説あるので調べました。
順位 | 習い事 | 東大家庭 | 一般家庭 |
1位 | スイミング | 56.7% | 25.4% |
2位 | 楽器 | 41.7% | 12.1% |
3位 | 英会話 | 26.7% | 13.9% |
6位 | 受験のためではない読み書き計算の塾 | 18.3% | 6.1% |
プレジデントベイビー 0歳からの知育大百科 2019完全保存版
なんと一番人気はスイミング!
そして気になるのは楽器の方が一般家庭より飛び抜けて多いこと。
公文式に該当するのは6位?
「4〜6歳児の家庭への調査」のためまだ習ってない子もいるから「3人に1人」ではありません。
公文をやったから東大に入れたのではなく、
- 東大に入る子は習い事をたくさんしていた
- 公文をしてもしなくても優秀だった
のでは?と本からも読み取れます。
年齢が上がるとフツーになる説
公文式に通っていて低学年のうちはずば抜けて成績が良かった友達が、年齢が上がるについれてだんだんと成績が落ちていったのを何例も見たと証言する。
(中略)
彼らはどんどん前に進めることや人よりも先に進んでいること自体を楽しんでいるようだった。勉強そのものを楽しんでいるようには見えなかった。だから年齢が上がっていくと伸びが止まってしまうのではないか
なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?からの引用
勉強の楽しさを知るというより、
他人より先んずる優越感と作業・修行のように計算をする学習習慣がつく印象。
そして地頭が良くない子は年齢が上がるにつれて徐々に普通の人に。
私だけじゃなくこういう人かなり多い印象です。
東大合格者ランキング上位の常連である某名門校の数学教師・亀谷信二さん(仮名)は、「うちの学校にも公文式をやっていた生徒はそれなりにいるようです。ただしほぼ共通しているのは、早めに始めて早めにやめていることです」と証言する。それが公文式の利点と弱点をすべて表現していると言う。
なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?からの引用
公文は必ずしも「良い学校に進学出来た」ということにはつながらない印象。
そういう例を見ると、先取り学習の意味はどこまであるのか疑問。
実際本の中でも、優秀でも公文が合わない子が実際にいて、合わない理由と様子が詳しく描かれています。
条件反射的な解法が通用する問題が多く出題される学校は、学習意欲の高い子供たちが受験するとは言えない学校です。
なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?からの引用
- 有名進学校に入る子は公文を早めに始めて早めに辞めている子がほとんど
- 小学校くらいまでは再現する力で満点を取れてしまうが中学以降は続かないことが多い
まとめ:公文式は計算力と学習習慣がつく
公文式とは、子どもの能力のごくごく一部である「計算力」を効率良く向上する目的に特化して作られた究極的にシンプルな「専用ツール」である。それ以上でもそれ以下でもない。
計算力がつくのはもちろん人生においてプラス。
私自身も小学校の時、公文式をしていましたがこの本を読んで改めて公文式のメリット・デメリットがよく分かりました。
- 学習習慣が身につく
- 公文式の算数をやると計算力とスピードは確実にアップ
- 公文式算数では考える力はつかない
- 自宅学習が大事で親のフォローが必須
- 習わせるなら早めに始めて早めに辞めるのが正解
紹介したのは本の中身のごく一部。
通して読むことでより公文式の全体像が見える素晴らしい本だと思いました。
この本の著者が他の本で推奨しているのが下記の通り。
公文を選択されたご家庭には、「5年生の夏までにはF教材(6年生相当)を終わらせて下さい。」と話しています。というのも、5年生以降は塾での算数の内容が高度化し、公文に取り組む・通う時間的余裕がなくなるからです。
個人的には「塾通いが始まる前までにF教材終了が目安」になると思います。
塾通いと公文式のボリューム的に相当キツそうですし。
あくまで中学受験を視野に入れた場合の話です。
少しでもこの記事がお役に立てればうれしいです。
おしまいです。
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